筋肉痛がようやく癒えた…やまだです。
早くも2月になりましたね。
月日が経つのが速い!と嘆くことの多い私ですが、
この激しい痛みは日にち薬しかない!
・・・と時間に対する矛盾した感情を抱いていたここ数日でした。
本当に、自分勝手ですね。
鳥の歌
ここ、ひと月ほど、私の心の中にずっと響いていた歌があります。
「鳥の歌」です。
日本では、今年の干支は酉(とり)となっています。
私は申年でして(ああ、完全にこれで年齢がばれるぅ)、
やはり、ちょっとした思い入れがあって、
去年の今頃は娘とずっと、申年のうたを歌ってました。
詳しくはこちら→(0655干支ソング:喜多喜多さるさるどしー!)
もう、アホな牧師だと思ってください。
で、昨年末は、「来年は酉年かあ」とぼんやりと思いながら、クリスマス時期を過ごしておりました。
そして、地域の教会合同のクリスマス会に参加しました。
そこで「酉のうた」ではなく、「鳥のうた」のチェロ演奏を聴きました。
ベアンテ・ボーマンさんの素晴らしい演奏で、心に滲みました。
この曲を世に知らしめたのはスペインの作曲家パブロ・カザルスです。
カザルスは音楽家であると同時に、平和活動家としても知られています。
1936年に勃発したスペイン内戦の結果、フランシスコ・フランコ将軍が政権を握りました(いわゆる、ファシズム政権です)が、
フランコ政権下では、カザルスの郷土カタルーニャの言語、すなわちカタルーニャ語の公の場での使用が禁止され、カタルーニャ愛国主義と結びつく活動もすべて禁止されました。
カザルスは1939年にフランスへ亡命しました。
この時、多くの芸術家たちもまた苦悩し、戦争で命を落としたりしています。
同じ境遇の芸術家に画家のピカソがいました。
彼の作品「ゲルニカ」は、スペイン内戦を受けて1937年に描かれた作品です。
今も国連本部に展示してあります。
カザルスも、演奏を通して、平和活動を続けました。
ファシズムに一貫して反対を貫き、楽団の解散、演奏の機会の剥奪など、様々な圧迫を受け続けました。
第二次世界大戦終了後も、体制が変わらなかったため、彼は長く忍耐をしいられました。
鳥の歌は、このようなカザルスの平和・自由への思いが込められた曲のひとつなのです。
1971年 、カザルスは国連平和賞を受賞を受賞することになりました。
そこで、彼は自分の生まれ故郷のカタルーニャ地方の民謡である、「鳥の歌」を紹介し演奏したのです。
その時の録音が残されていて、今でも繰り返し聞かれ、伝説的になっています。
彼は、このように語りました―
「カタロニアの民謡から『鳥の歌 El Cant dels Ocells』という曲を演奏しようと思います。鳥たちはこう歌います。『Peace, Peace, Peace(平和、平和、平和)』と。そのメロディは、バッハ、ベートーベンそして全ての偉人たちが賞賛し、愛したもの。そしてわたしの民族、カタルーニャの魂なのです。」
世界中の鳥は、およそ「ピーピー」と鳴くはずですが、カタルーニャ地方の鳥たちは違っていて「ピース、ピース」=「平和、平和」と鳴くらしい―
大変、しゃれた賢い鳥たちですね。
この「鳥の歌」に歌詞をのせたものがあります。
夜が明けて 小鳥たちは 歌い始める
良い知らせを 「ベツレヘムに かわいい幼子が
生まれたもうた この方こそ 神のひとりご」と
小鳥たちは 村に町に 告げ知らせる
良い知らせを 「この世の罪 その身に負うために
生まれたもうた この方こそ 世の救い主」と
今年は、ずっとこの歌が私の中で響き渡っています。
キリストのお生まれは、まさしく世界の夜明けでありました。
暗やみに光を、絶望しているところに希望を、悲しみに変わって喜びを与えることの出来るお方が生まれたのです!
にもかかわらず、世界は…今、混沌に包まれているように思われます。
鳥たちは、夜明けと共に目覚め、小さいながらも高らかに歌う素敵な存在です。
この鳥たちにあやかり、今こそ、良い知らせを高らかに告げるものであり続けたい、と願います。
残り11ヶ月の平和を、切に祈り求めつつ。
アメリカの作家ヘミンウェイの「誰がために鐘は鳴る」もスペイン内戦下の物語だったと思います。若い頃読み涙したものです。ピース、ピースと鳴く鳥の歌、平和ほどありがたいものはありません。平和は与えられたものではなく、自分達で勝ち取り守るものではないでしょうか。主のご降誕を感謝し、主と共に平和の大事さ、有難さを深く伝え広められたらいいなと思います。
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誰がために鐘は鳴る、もスペイン内戦を舞台とする長編小説でした。
神との平和、隣人との平和、これは自動的に生成されるものではないですね。神との平和が与えられるためには、キリストの大きな犠牲が必要でした。人々との間の平和が保たれるためにも、私たちの知恵と努力が必要だと思います。
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