切実な願いを綴ったサンタクロースへの手紙
77年前にひとりの男の子がサンタクロースに宛てて書いた手紙が、発見されました。
その手紙には、こう書いてあったそうです。
「サンタさん、今年は兵隊さんにつける薬を送ってほしいです。早く戦争が終わって平和が訪れますように」。
この手紙は、77年前=1939年、ナチス・ドイツが勢いを増し、ヨーロッパ各地に進展、第二次世界大戦が激化したクリスマスの時に書かれたもの。
これを書いた少年は、その後、外科医となり勤勉に働き、そして、すでにその生涯を終えられました。
そこで、この手紙は、娘さんのところに届けられました。
娘さんが父親の生涯を振り返って、「父は大変熱心な信仰者であった」と語られたそうです。
今は大変に恵まれた時代で、
インフルエンザになれば、サンタクロースに願わなくとも、医者に係ることができ、最高の薬を処方して頂けます。
誰に願わずとも、暖かい部屋で休むことができます。
けれども、余りに恵まれすぎたこの時代だからこそ、欠けも生じるということを知るべきでしょう。
77年前のあの少年のように、切実に平和を求める少年・少女が、この日本にどれくらいいるでしょうか。
豊かな時代は祈りや願いを生まないのです。
もちろん、豊かなことは悪ではありません。本当に感謝にたえないことです。
それでも、豊かさの陰で、失われたものがあるということにも、気づくべきでしょう。
願いが人生を導き作る
願いというのは、重要な働きをします。
サンタクロースに兵士の薬を求めた少年は、外科医になったと言うのは、とても興味深いことです。
サンタクロースに願った祈りは聞かれなかったのかもしれません
そう、遅かれ早かれ、サンタクロースへの夢は破れるものです。
だから、大人になって強くなった時、傷ついた兵士たちを自らの手で傷を癒すために、修練を積んで外科医になったのでしょう。
しかし、もう一つ興味深いことは、娘さんが父親の生涯を振り返って、彼は大変熱心なキリスト者であった、ということです。
サンタクロースの夢は破れました。では、願いを重ねて修練して、自分の手によってすべての傷を癒すことができたのでしょうか。
けっして、そうではなかったはずです。
自分の傍らで、傷ついているすべての人のいのちを助けられず、辛い思いをしたこともあったに違いありません。
恐らく、人間の限界にも気づいたからこそ、彼は信仰をもったのではないでしょうか。
心の内にある強い願いが、その人の人生を導き、形作っていくものです。
今日、あなたにはどんな願いがあるのでしょうか?
神は、必ずや、あなたの人生を導き、形づくって下さいます。
天使が歌った切なる願い。それが現実となった!-クリスマス
クリスマスの時に何度も繰り返し歌われる歌詞があります。
-いと高きところに栄光が、神にあるように(グローリヤ・インエクシェルシスデオ)
地の上には平和が、御心にかなう人々にあるように-
これは、主イエスが生まれた晩、つまり最初のクリスマスの晩に、天使が羊飼いたちが歌った言葉です。
野原に響き渡った、天使の大合唱は、どんなに美しかったことでしょう。
さて、どうして、天使はこんなことを歌ったのでしょうか?
これぞ、究極の祈りであり、全世界のまことの願いとも言えるものです。
「栄光が神にあるように」とは、神が神としてあがめられますように、という意味です。
「地の上には平和が」は説明はいらないでしょう、平和な世界がおとずれますように、ということです。
これらの祈りは、裏を返せば、実際は、神さまが神さまとして崇められていない現実があるということであり、
地上には平和がない、ということなのです。
だから、天使たちは、痛切に祈り願いました。
「いと高きところに栄光が神にあるように、
地の上には平和が、御心に適う人々にあるように」、と。
この祈りと願いは、空しく闇の中に沈んで消えてしまったのでしょうか?
天使たちが居なくなると、羊飼いたちが居た野原も、今までと同じように真っ暗になりました。
美しい輝きも、光も消えました。
野原に響き渡った歌声もなく、今は、吹き渡る風の音、家畜が鳴く声があるだけです。
それでも、天使たちが告げた言葉は、サンタクロースの夢のように消えたのではありません。
人間の手では癒せなかった傷を癒すことの出来るお方が、本当にお生まれになったから!
戦争を繰り返してきた人間の醜い歴史に終止符を打って、まことの平和をもたらすお方が、本当に来られたから!
救い主イエス・キリストがお生まれになったからこそ、天使たちの祈りも願いも、空しく暗やみに呑み込まれたのではなくて、現実のものとなったのです。
ですから、今日も、私たちは「クリスマスおめでとう」と挨拶を交わすのです。
平和をもたらし、世界を救う方がおうまれになった、おめでとう!と。
これがクリスマスです。
これを読んでおられるあなたに、クリスマスの恵みが豊かにあるように、心から祈ります。